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2023.11.13

【郷暮らし手帖】平瀬どぶろく祭(前編)


2023年9月25日、26日に白川村南部の平瀬地区でどぶろく祭が開催されました!

ここ数年はコロナ禍で中止や縮小となっていたため、通常開催となったのは実に4年ぶり。その分、多くの村民がこの日を心待ちにしていました。

そもそも、どぶろく祭とは?

五穀豊穰や家内安全、里の平和を山の神様に祈願する「どぶろく祭」。「天下の奇祭」とも言われ、毎年9月の終わりから10月にかけて、村内5地区(平瀬、木谷、荻町、鳩谷、飯島)で開催されます。

神に捧げられる「どぶろく」が村民や参拝者に振る舞われ、これを目当てに訪れる観光客も多いんです。

*どぶろくについて取材した記事はこちら
【郷暮らし手帖】どぶろくの徳利詰め

【郷暮らし手帖】どぶろくの仕込み

どぶろく祭は、白川村民にとってお盆や正月よりも重要と言っても過言ではない行事。自分が住む地区や、演者として参加する地区の祭の日には、子どもたちは白川郷学園(白川村唯一の学校)も公欠扱いで休むことができます。村外に出た人の多くも、この日に合わせて帰省します。

そんなどぶろく祭の中でも、平瀬地区は観光客が多い荻町、鳩谷、飯島と比べると、より「村民の祭」の色が強いのが特徴。今回は、そんな平瀬どぶろく祭の様子を前後編に分けてお届けします!

朝の神事から祭はスタート

祭は各地区ごとに開催期間が1〜2日と決まっていて、平瀬地区では2日間開催されます。

スタートは朝9時ごろ。

獅子役者や稚児をはじめ、役を持った村民が平瀬八幡神社に集まります。氏子全員が集まるわけではないのですが、地区の人口が少なくなっている近年、何かしらの役を持つ人が多くなっています。

初めに行われるのは、試楽祭。

神社の本堂で、神主さんたちを中心にお浄めの儀式が行われます。管楽が響く中、厳かに神事が進みます。

ここでは2人の稚児による舞も披露。扇や鈴を手に、初々しくも優雅に舞う姿に、観客は思わず目を細めます。

稚児は、通常小学生〜中学生の女の子が務めますが、この日は高校生も参加。当日は、早朝から稚児のお母さんたちが支度を手伝い、娘の晴れ舞台を支えていました。

村廻りで各組へ練り歩き

試楽祭を終えると、村廻り(ご神幸行列)へ。

獅子役者や稚児、御輿、カラフルな吹き流しをもった旗持ちなどが列を成して、地区内の各組を廻ります。

山の緑を背景に色鮮やかな行列が巡っていく様子は、なんとも華やかです!

獅子役者の太鼓や笛の音色で、祭の気分がよりいっそう高まります。

村廻りでは、各組が設えた祭壇で神事が行われます。この祭壇も、早朝から各組の村民が準備していました。

ご祈祷が終わると、獅子舞も披露!

メインの舞は村廻りを終えてから神社で行われますが、各組でも獅子舞の演目の一部が行われます。

通りの真ん中で踊る姿は、境内で催される舞とはまた違う面白さがあります!村民はもちろん、たまたま訪れていた観光客も思わず足を止めていました。

そしてこちらは…民家に獅子舞が押し入ってます!

「舞い込み」とよばれるこの儀式は、獅子役者たちに御花(金銭)を包んだ家や企業に、無病息災を祈って行われます。

獅子舞がずんずんと家の中に進んでいく姿は、初めて見ると少しびっくりしてしまいますが、ご利益があるものなのです。

***

こうして1日目は8組を巡り、行列は午後3時ごろには神社へ。この後はいよいよ、獅子舞奉納とどぶろくの振る舞い。

※後編記事公開後、閲覧いただけます。

どぶろく祭

[白川八幡宮]10月14日~15日:荻町合掌造り集落南

[鳩谷八幡神社]10月16日~17日:R156白山白川郷ホワイトロード入口交差点

[飯島八幡神社]10月18日~19日:道の駅白川郷正面

*毎年の開催状況は白川村役場のWEBサイトをご覧ください

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