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2023.10.01

【白川村ランチ】ます園 文助


白川村荻町、白川郷随一の絶景スポットである白川郷展望台へ向かう道中にある「ます園 文助」さん。

観光客で賑わう合掌造り集落から少し離れたひっそりした場所にある、木々に囲まれた合掌造りの建物が特徴です。

趣ある建物を取り囲む庭園には、湧水を利用した大小14の生簀があり、揚げたばかりのイワナやニジマスを使った川魚料理がいただけます。

食事と共に外せないのが合掌造りを借景にした窓からの眺め。

元々はコンクリート製だった生簀を自然石で作り変え、見応えのある造形となっています。特に窓際の席からは風流な景色を臨むことができます。

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お店の創業は50年ほど前。先代の野田重夫(しげお)さんが、元々田んぼだった土地の一部を川魚の養殖池に作り変えたことから始まりました。

当初は村内の民宿に育てた川魚を卸していましたが、平成7年に白川郷合掌造り集落が世界文化遺産に登録され、観光客が増加したことをきっかけに川魚を自ら提供する食事処をオープン。

現在は、高校卒業後に家業に入った2代目の野田真司さんが店を営みます。

父親の背中を見ながら養殖や料理を学び、先代の重夫さんをはじめ、家族で支え合いながら店を切り盛りしています。

メニューにはイワナやアマゴ、ニジマスといった川魚を使った定食や単品料理が揃います。

せっかくならいろいろ味わいたいとこの日に選んだのは、「清流定食」。通常はニジマスを使っている塩焼きをプラス220円でイワナにしていただきました。

清流定食(2,640円)
*塩焼きがニジマスの場合は2,420円

注文してしばらく待つと、目にも鮮やかな定食が登場しました!華やかなビジュアルに、思わずうっとりしてしまいます。

まずいただいたのは、注文を受けてから水揚げしているというイワナの塩焼き。頭も骨も丸ごと食べられます。シンプルな料理ですが、脂がほどよくのったふっくらとした身に、塩の風味が引き立ちます。

こちらは橙色が美しい、ニジマスの刺身。川魚を生でいただけるのは珍しいですが、プリッとした食感と爽やかな甘さがたまりません!ニジマスの刺身は、水揚げしてすぐだと弾力のある食感ですが、少し日をおくことでトロリとしたまろやかさが楽しめるそうです。

こちらも一匹がまるまる乗った、甘辛の甘露煮。日によって使われる魚は異なりますが、この日はアマゴを調理していただきました。箸がすっと入るほど柔らかく、口に入れると身がほろっとほどけていきます。しっかりとした味付けながら、濃すぎない絶妙な味わいです。

どの料理も、川魚特有の生臭さは一切なく、上品な旨みが感じられます。さらに、ご飯は自家製のコシヒカリ、副菜の山菜も自ら山で採ってきたものを使っていて、地の恵みを存分に味わうことができます。

ちなみに、珍しい「イワナの骨酒」も酒好きに好評。イワナが丸々一匹入った鉢に熱燗を注いだもので、香ばしい風味が楽しめます。かつては白川村の酒の席ではよく嗜まれたそうです。

「川魚が苦手だったけれど美味しくいただけました、という声を聞くと嬉しいですね。遠方から何度も訪れてくれる方もいらっしゃいます」と真司さん。

新緑や紅葉、雪景色など、季節ごとに移ろう絶景とともに、絶品の川魚料理をじっくりと堪能したい食事処。ぜひ、時期を変えて何度も訪れてみてくださいね。

ます園 文助

住所/ 岐阜県大野郡白川村荻町1915

営業時間/11:00 – 21:00(15時以降は予約のみ)

定休日/不定休

TEL /05769-6-1268

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